半月板損傷

それはある日、突然やって来ました。
朝、目覚めてベットから起きあがり、数歩歩いたところで違和感
を覚えました。左膝が硬くなっているような感覚です。膝の関節
のお皿を触るとグリグリと動きます。また、関節を動かすとボキ
ボキといっています。
そして、膝の後ろ側の筋肉がひきつるように痛みます。
その日は、違和感を感じながらも、普段通りに歩く事も自転車に
乗る事も別段、問題はありませんでした。
が、翌日、朝起きると、膝を曲げる事が出来ません。
無理に曲げると激痛が走ります。このままでは歩けません。
それでも、我慢して歩こうと膝を伸ばすと、カクンと力が抜けて
思うように歩けません。
これは困りました。
この歳になると、若い頃と違い突然のアクシデントに見舞われる
事があります。以前も少し段差のあるバスのステップを降りて、
踵から地面に足を付いたら、急に痛み出し、歩く事すら出来なく
なってしまいました。兎も角病院に行こうとバスを片足ケンケン
で降りて、タクシーを拾い、たまたま近くにあった総合病院まで
向かい、診断してもらったら「ねんざ」との事、ちょっとした事
で、突然のアクシデントが襲ってきます。「年老いた」という事
なのでしょうか?
で、今回も歩く事が困難ではありますが、仕事に出掛けなくては
なりません。こんな事もあるかと我が家に常備している折り畳み
杖を使って何とか歩いて出掛けます。
仕事の打ち合わせでは、毎回打ち合わせの相手に何故こうなった
かを説明しなくてはならず、仕事の打ち合わせの説明よりも面倒
です。また、ともすると仕事のうち合わせに係る時間よりも何故
こうなったか説明するのとその話で盛り上がり、こちらの時間の
方が、多く係り、次の予定に遅れてしまいそうです。
その代わりにバスや電車に乗ったら、毎回席を譲って頂ける方が
いて、人の優しさを実感出来て少し嬉しくもなります。
ともあれ、日頃お世話になっている整形外科の病院に伺います。
ここはスポーツ整形で有名な病院で、以前にもテニスをしないの
になってしまった「テニスエルボー」の治療や、「外反母趾」の
治療、また「下肢静脈瘤」になった時も、紹介状が無いと相手に
してくれない総合病院にいるその道の大家の先生の弟子が、ここ
の院長先生だったので、紹介状を書いて頂き、無事に手術をした
事がある、亀にとって大変有り難い病院です。
で、レントゲンを撮りますが、骨に異常はありません。
「うう~ん」といって膝を伸ばしたり縮めたりして、痛みを確認
したその先生、「これは半月板損傷かもね」と云います。
先生、詳しく説明して頂きます。
半月板は膝の関節の間にある軟骨で、関節の表と裏に有り、急激
な運動や加齢で軟骨が裂けたり、剥がれたりして、神経に当たり
激痛を伴う症状との事です。亀の場合は多分加齢でしょうね。
また、今回の症状からすると、半月板の後ろ側の損傷の可能性が
高いとの事、亀は今まで半月板って、関節の前のお皿の部分の事
だとばかり思っていました。で、ちなみに半月板の形は桃の缶詰
に入っているふたつに割れた桃のような形です。
半月板の症状はみっつ有り、膝が曲げられない「ロッキング」と
力が抜けてしまう「ギビングウェイ」と膝を動かすと音がする
「クリック」というのだそうですが、全てに当てはまります。
温泉に行ったら、自分の病気の効能に当てはまるのが、二つ以上
有ると得した気分になりますが、この場合はあまり得した気分に
はなりません。
で、半月板損傷の場合はレントゲンでは写らないので、MRIを
撮る必要が有り、この病院にはその設備が無いので、近くの施設
を紹介頂き、MRIを撮ります。
MRIを撮る時に聴かれるのが、「閉所恐怖症」はありませんか
という質問に、高所恐怖症がある亀は「高所恐怖症なら有ります」
とついつい云いたくなるのですが、怒られるかなと思っていつも
我慢してしまいます。
でもいつか言ってみたい。
また、MRIにかかっている時に、大きなビート音が出るので、
ヘッドフォンを付けるのですが、音程とリズムが異なる大音響を
聴くと、ついついロックコンサートに来たような気分になって、
大声で歌を歌いたくなる衝動に駆られるので、これを抑えるのが
かなりの苦痛です。MRIにかかる前に「大きな音がしますが、
大丈夫ですが?」と聞かれるのですが、歌いたくなりますと答え
たら、このおっさん、バカじゃないのと思われるのが関の山です。
で、今回のMRIのヘッドフォンからは、亀の知らない音楽と歌
が流れていたので、歌いたくなる衝動を苦労無く抑える事が出来
ました。やっぱり、歌いたくなる人がいるんでしょうか?
で、MRIは撮ったものの、先生の診断は後日となります。
段々と痛みは無くなり、膝に違和感と動かすと抵抗感はあるもの
の、何とか杖無しで歩く事が出来ました。
だったら、自転車にも乗りたいと思うのですが、ここで無理して
さらに悪化させたら困ります。
なので、自転車に乗りたい衝動を抑えながら、ここ数日は過ごさ
なくてはなりません。
歳は取りたく無いものと思うのと同時に、衝動から自分を抑える
事を必死で堪えるのが辛い亀でありました。




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