ヒューレージュビリーのプーリーガイドの交換 その2

新たに、プーリーとメタルパテととネジとワッシャとステンレスの
パイプを用意致しました。
プーリーは、8・9・10速用のBBBのプーリー。
メタルパテは、ドイツ製の鉄リペアースティック。
ネジは、ステンレスのM6の30mmとM6の15mm、実はこれが曲者
であります。
そして、同じくM6のワッシャ。
最後が、ステンレスの内径がM6のパイプ。ちなみに外径はM8で、
オリジナルよりも少し細いパイプです。

何故、こんなに部品を集めたかというと・・・
オリジナルのプーリーを外す事が出来ないので、新たにプーリーを
用意しなくてはなりませんでした。プーリーがオリジナルで無いの
なら、他のショートゲイジのパーツも、オリジナルで保管して置き
たくなります。とすると、アルミパイプとネジとワッシャも新しい
ものが必要となってきます。

写真のパーツは、右がオリジナルで左が新たに用意した物です。
その新たに用意した物を、ひと手間掛けて加工をしなくてはなりま
せん。

まず、ネジ。オリジナルが上です。
オリジナルはネジ山が途中まで切れていています。ネジ山の無い所
で、ネジが止まり、プーリーがスムースに動くようになっています。
なので、新しく用意したネジも同様に、ネジ山を途中まで切った形
となるようにしなくてはなりません。
その為には、ネジを切っていないものを探して、ダイスでネジ切り
を行う。または、メタルパテでネジ山を途中まで埋める。のふたつ
の方法があります。前者は、ネジを切っていないものが見つからず、
また、タップ切りはあるもののダイスを亀は、持っていないので、
後者の方法となります。
で、メタルパテを埋めるので、ネジ山を残す部分をマスキングして
必要なネジ山を残すようにします。

メタルパテでネジ山を埋めた状態。

このままだと、メタルパテがデコボコしているので、プーリーの穴
に入りません。なので、鑢とルーターで綺麗に仕上げます。

こんな状態で綺麗になりました。

次は、ステンレスのパイプ。
これをオリジナルと同じ長さにカットしていきます。
ちなみにこのパイプ、どこで使うかというと、ディレーラー本体と
プーリーゲイジの間にあるスプリングの芯となって、この穴の中に
ネジが通るようになります。いわば、スプリングのスペースを確保
するスペーサーの役割をしています。

で、カットするのに用意したのは、金属加工用の彫金糸鋸。
ところが、遅遅として切れません。

で、、困った時のルーター。
このミニサンダーで切っていくのですが、刃が薄いので、今迄切る
作業の過程でこの刃が折れてしまい、何枚もこの刃を交換しなくて
はなりませんでした。が、今回は慎重に力を掛けずに時間を掛けて
切っていったら、刃を折る事無く無事カットする事が出来ました。
どうやら、やっとコツを覚えたようであります。
でも、作業が終わって刃を取ろうとして際に、なかなか外れずに、
力余って落としてしまったら、その衝撃で刃が欠けてしまいました。
ちょっと、とほほ。

で、こちらも切り口を綺麗にするので、鑢とルーターで綺麗に仕上
げていきます。

で、加工終了いたのがこちら。
右が加工したもの、左がオリジナル。

さあ、組み上げていきます。

その前に素朴な疑問。
上のショートゲイジのスプリングの留め位置は、ゲージの真ん中に
あるボッチなのに対して、ロングゲージのスプリングの留め位置は、
上のプーリーの脇。さらに二か所あります。
ロングゲージの方がテンショが必要なのでしょうか?そして、その
テンションも調整出来るように二か所あるのでしょうか?
まあ、どちらにスプリングの端を留めてみる事とします。
ちなみに、ディレーラー本体側のスプリングを留める穴は、二か所
あり、カンパニョーロ ヌーボレコードと同じであります。

そして、組み立て。
まず、ディレーラー本体側とプーリーガイドを組んでいきます。
長いM6の30mmのネジをプーリーガイド、ワッシャ、プーリー、と
さらに反対側のワッシャ、プーリーガイド、スプリングのスペーサ
である内径M6のパイプに貫通させていきます。
プーリーガイドの内側の穴は、何故かM7でネジが切ってあります。
プーリーガイドの外側の穴と本体のネジ切りしてある穴は、M6。
何でしょう?
ひょとしたら、プーりーとプーリーガイドの内側を固定するパイプ
がネジ切りされていて、スペーサーの役目を果しているのかも知れ
ません。ただ、そんなM7の内径のあるプーリーは、今となっては
入手困難なので、これは無視します。
また、BBBのプーリーも付属のスペーサーを使うと、M5の穴と
なってしまいます。それではM6のネジは入らないので、BBBの
プーリーは、スペーサーを使わずにワッシャを片側2枚入れ、動き
をスムースにしました。

で、本体を留めるのに必要なこのボックスレンチ。
この為だけに使う特殊工具であります。

で、こんな感じに組み上がりました。
ショートゲージの、ヒューレージュビリーのリアディレーラーも、
その造形美が素晴らしいですが、ロングゲージに変えると、さらに
その造形美は惚れ惚れする程美しく、つい溜息が出てしまいます。
思春期の頃、その姿を、ニューサイクリング誌に掲載された写真で
見て、こんなディレーラーが手に入ったらと思ったものです。その
時のときめきが、今、40数年を経て蘇ってきます。
写真でしか見た事が無い、ヒューレージュビリーのロングゲージの
リアディレーラーの実物が、今、目の前に在るという感動。
まあ、その道の好きな人しか判らない事ではありますが・・・
で、ロングゲージのヒューレージュビリーのリアディレーラーです
が、これをランドナーに着けるとなるとある心配が湧き出てきます。
それは、昔のニューサイクリング誌の書かれていた、このロングの
ゲージを使用したあるサイクリストの話でありました。
このヒューレージュビリーのリアディレーラー、華奢なので上り坂
を大きな歯数のスプロケットでトルクを掛けて上がると、チェーン
のテンションの力で、ロングゲージがモゲてしまうという事です。
何の為に存在するディレーラーなのかと、その存在自体を疑われる
ような代物なのだそう。
さらに、もうひとつ。
オリジナルのプーリーを止めるネジは平ネジで、プーリーガイドの
内側から飛び出さないのですが、用意したネジはボタンキャップ型
で少し飛び出しています。スプロケットの一番内側を使用しようと
した時に、このネジ頭がスポークに接触しないかどうかが気になり
ます。
まあ、それは再来年にまたランドナーをおフランス仕様ざぁ~んす
で、このロングゲージのヒューレージュビリーのリアディレーラー
を装着した時に考える事としましょう。
さてさて・・・





にほんブログ村
